カンボジア人技能実習生

今回は、日本と同じ仏教の国であり親日家も多い、カンボジア人の国民性や国柄について紹介していこうと思います。

カンボジアの基本情報

カンボジアは、高い経済成長率を記録し続けており都市部の発展は目覚ましいものの、いまだに貧困に苦しむ人が多いのが現状です。

地理

カンボジア王国(通称カンボジア)は東南アジアのインドシナ半島南部に位置し、ラオス・ベトナム・タイと国境を接しています。


首都はプノンペンで、アジアの中でも歴史ある都市のひとつで、フランス植民地時代の建物や仏教寺院、王宮などの多様な文化遺産を有しています。
その街並みの美しさは「東洋のパリ」と称されるほどです。
また、首都のプノンペンから南西に約230㎞の場所には美しいビーチエリアもあります。
中でも欧米人に人気なのが、セレンディ・ビーチ。シアヌークビルのビーチの中でも一番にぎわっているビーチです。
最も美しいビーチといわれているのは、オートレス・ビーチで、シアヌークビルの中心から少し外れた場所に位置します。
いずれのビーチの周辺にもおしゃれな飲食店やカフェ、ホテルがありますのでリゾート旅を楽しみに、シアヌークビルに滞在するのも楽しそうです。

人口

2024年現在、カンボジアの人口は約1,700万人で、日本の人口の約7分の1ほどになります。
国民の約半数が30歳未満であり平均年齢も26歳ほどとなります。
日本の人口ピラミッドと比べるとその若さは一目瞭然です。

言語

カンボジアの公用語はクメール語です。
クメール語はカンボジア語とも言われており、国民の9割以上がクメール語を使用しています。
昔はフランスの植民地だったということもあり、フランス語が通じる人も中にはいますが、理解できる人はごく少数です。

カンボジアの主要都市であれば英語が基本的に通じます。
特にシェムリアップやプノンペン、シアヌークビルなど観光やビジネスで多くの外国人が訪れる都市では英語が話せる人が多いです。
ですが、ローカルな市場や村などは英語が通じません。
また、タクシーや公共施設、サービスの窓口でも英語が通じない場所もあります。

宗教

カンボジアの国教は上座部仏教です。国民の約90%以上が上座部仏教を信仰しています。日本と違い、カンボジアでは日常生活に宗教が根付いています。

またカンボジアは宗教の自由が認められています。
これまでの政権の移り変わりと共に国教が何度も入れ替わった歴史的背景があるため、イスラム教やキリスト教を信仰する人も一定数存在しています。

食べ物

カンボジアでは主にインディカ種の香り米ともち米が食べられています。
主食はインディカ米、もち米はデザートとしてパパイヤやマンゴーなどの果物と合わせて食べられたり、ちまきの材料とされることがメインです。
クメール料理は主食がお米であるため、日本人には食べやすい料理です。

平均収入

カンボジアの急速な経済成長と多様な産業発展にも関わらず、カンボジア人の平均年収は約1,200米ドルとなっており、依然として低い水準にとどまっています。

カンボジア人労働者の給与は、業種やスキルレベル、都市部と農村部の間で大きな違いがあります。
例えば、製造業やサービス業では、月給は200~300米ドル程度ですが、一方で、農業では収入は季節によって変動し、全体としては更に低い水準になります。

カンボジアの国民性

温和な性格

カンボジア人はとても温厚で素直な人が多いです。
「カンボジア人は温和」と一般的によく言われています。

実際、街でカンボジア人を観察してみるとわかるのですが、大抵の人が他人に対して笑顔で接しています。
ただ人見知りでシャイな人も少なくはありません。
また、真面目で目上の人を敬う国民性です。
日本人と同じように、おとなしく自己主張が強くない性格で、温厚で優しい人柄なので、日本人との相性も良いです。

プライドが高い

プライドが高いという気質も持っています。
人前で注意される、もしくは恥をかかされることなどには、かなり強い不快感を覚える方が多いです。
そのため、わからないことであっても「わかっている」や「知っている」などと言いますが、大抵の場合わかってないことの方が多いです。
プライドが高いために「わからない」と言えず、見栄を張ってしまうのです。
これは、カンボジアでも学歴や所得などで相手を判断している部分がある為だと考えられ、こういったところは技能実習生として受け入れる際には注意が必要なポイントとなります。

家族思い

カンボジア人は、家族や仲間をすごく大切にしています。“お金が有る無しに関わらず、助け合うのが当たり前”という精神で、外国人の私たちに対しても仲良くなると“家族”として扱ってくれ、いつでも助けてくれます。
多くの家庭がおじいちゃんやおばあちゃん、そして親戚までも一緒に住む大家族です。
それぞれが役割分担をし助け合っている姿は、日本の昭和時代のようでもあります。
また、老若男女問わず世話好きであり、特に子供に対しては知人・他人関係なくみんなで面倒を見るのが普通です。

親日家が多い

日本のアニメなどの影響もありますが、カンボジアという国自体も、日本に好意を持ってくれています。
その証拠に、カンボジアの500リエル紙幣には、なんと日本の国旗が描かれています。
経済的な援助を行ったことで、国の紙幣にも日本の国旗のマークが書かれています。
この紙幣にある二つの橋は「きずな橋」「つばさ橋」と呼ばれる橋で日本のODAが無償協力で建てた橋で、この橋が通ったことでモノやヒトの移動が簡単になり、経済発展に繋がりました。

転職が多い

日本や例えばネパールなどの国は、1つの会社で長く働くことを重要とする文化があります。
ですが、カンボジアでは違います。
カンボジアには、転職をどんどんしてスキルアップする文化があります。
カンボジアでも1つの会社でずっと働くことを尊ぶ文化が全くないわけではありませんが、実際カンボジアでは、いまより待遇がよくなるのであれば、転職する方が非常に多いのが実情です。
ではカンボジア人が会社を選ぶ際、重視している基準は何でしょうか。
それはやはり給料です。
いまより給料がいい条件の会社があれば、どんどん転職していきます。


カンボジアで働くカンボジア人の20代の平均転職回数は2~3回で、0回の人も当然いますが、20代ですでに5回以上という方も多いと言われています。
技能実習でカンボジアからきている場合には、自由に転職はできません。
ですが特定技能の場合には、条件はありますが転職自体は可能です。
現職より高給の仕事が見つかれば、基本的にはすぐ転職を考える方がほとんどだということは認識が必要です。
転職の理由として「昇給のチャンスがないから」というものがあげられています。
ですが20代で5回6回の転職をしている方たちは、そもそも昇給のチャンスがもらえる前に転職しているのであろうと考えられます。
そのため企業が「育てた特定技能カンボジア人が転職していく」のを防ぐためには、昇給の仕組み・システムをしっかり伝える必要があります。
昇給のシステムがあいまいであったり、そもそも昇給制度がなかったりする場合には、対処する必要があります。
カンボジア人の仕事観として、給料が上がるならどんどん転職すべきだと思っていること・それが普通であることは、認識しておくべきでしょう。

まとめ

カンボジア人技能実習生の受入れを検討するにあたって、カンボジア人にどのような特徴があるかを紹介しました。

・温和な性格
・家族・仲間思い
・真面目で日本人との相性がいい
・どんどん転職する文化がある

企業様にとってはデメリットと感じてしまう文化もありますが、きちんと理解し対処してあげれば必ずしもデメリットとは言えないと思います。
個人差はありますが、性格は日本人と合う傾向にありますのでその点を重視する企業様は、カンボジア人技能実習生の受入れを検討してみてはいかがでしょうか。