外国人技能実習生の運転免許取得方法

今回は外国人技能実習生が日本で運転免許を取得するための方法や注意点などを中心にコラムにしていこうと思います。

東京は世界的にみてもトップレベルで公共交通機関が整備されており、自動車が無くても快適に生活ができます。

ですが、地方での生活となると、通勤や仕事のために自動車の運転が必要になります。

日本での運転免許の取得が業務の幅を広げたり、キャリアップにも役立つ要素になる可能性があります。

そこで今回は、外国人技能実習生が日本で運転免許を取得する方法を、新規取得と外国免許からの切り替えの二つを紹介します。

外国人技能実習生が日本で運転免許を新規取得する場合

自動車教習所への通学

外国人技能実習生が母国で運転免許証を持っていない場合、日本で新規に運転免許を取得するには、自動車教習所への通学が必須となります。

日本人と同じように交通ルール、運転技術、緊急時の対応方法などの基礎的な知識と技術を学び、卒業検定・学科試験に合格することで運転免許証が交付されます。

次に、自動車教習所を選ぶ際の重要なポイント・準備すべきものを紹介します。

多言語対応の有無

技能実習生にとって、多言語対応している自動車教習所の選択は重要です。

自動車教習所によっては、教本や仮免学科試験が英語や中国語、ベトナム語など複数の言語で対応しています。

さらには、外国語を話せる指導員が在籍しているところもあります。

自動車教習所のカリキュラムでは、学科教習が26時限、技能教習が34時限の受講が義務付けられています。

多言語対応を提供している自動車教習所を選ぶことで、試験の準備や日本の交通ルールを安易に理解できるため、効率的に学習を進めることが可能となります。

通いやすさや口コミなども考慮し、自分に最適な自動車教習所を選ぶことが大切です。

取得までにかかる日数と費用

運転免許を新規で取得する際、通学型と免許合宿型を選択できます。

通学型では、免許取得までに約2~3か月かかり、費用は28~33万円程度です。

この費用には入学金、教習料金、教科書代、検定料などが含まれます。

通学型のメリットとして、自身のスケジュールに合わせて教習を受けられるので、仕事と両立しながら免許取得を目指せる点です。

免許合宿では、2~3週間程度で免許取得が可能で、費用は22~30万円程度です。

この費用には教習料金、教科書代、検定料に加え、食費、宿泊費、交通費も含まれている事が多いです。

合宿型のメリットとして、短期間で集中的に学習できるため、コストパフォーマンスに優れています。

また、免許合宿に参加している他の技能実習生と交流することで、モチベーションの維持がしやすい利点もあります。

ただし、合宿型で取得を目指す場合は、日程の調整や長期間の滞在が可能であることが前提となります。

どちらを選択するとしても、事前の情報収集と計画が重要となります。

特に外国人技能実習生の場合は、多言語対応やサポート体制の確認が最重要事項となるでしょう。

必要なもの

自動車教習所へ入校する際には、以下のものを準備する必要があります。

・在留カードやパスポートなどの本人確認書類

・証明写真(教習所指定のサイズ)

・教習料金

・国籍記載の住民票

・眼鏡またはコンタクトレンズ(必要な人のみ)

必要なものは、自動車教習所によって異なる場合があるため、事前に確認するようにしましょう。

外国の運転免許から切り替える場合

※切り替えができない国もあります。

外国人技能実習生が母国で取得した運転免許証を持っている場合、運転免許試験場や運転免許センターで比較手容易に日本の運転免許に切り替えが可能です。

免許切り替え時に満たすべき条件と必要な手続きについて紹介します。

切り替えの条件

外国の運転免許を日本の運転免許に切り替える為には、いくつかの切り替えの条件を満たさなければなりません。

・母国の免許証が有効期限内であること

・母国での免許取得後、その国に通算して3か月以上滞在していたこと

(出入国の認印のある旅券等、滞在期間を証明する資料が必要となります。)

・運転免許の種別(普通車や原付など)が日本で取得しようとする免許区分と一致していること

※代理による申請は認められていないため、本人が申請する必要があります。

必要な書類

切り替えに必要な書類は以下のとおりです。

・有効な外国の運転免許証

・外国免許証の日本語翻訳文

・申請書

※申請書と併せて、病気の症状等についての「質問票」を提出する必要があります。

・申請用写真1枚

・国籍記載の住民票

・在留カードやパスポートなでの本人確認書類

申請に当たっては、事前に運転免許試験場または運転免許センターへ、提出書類・手数料・受付時間・講習場所等を確認してください。 運転免許切り替えに関する諸手続きの詳細は、警察庁のホームページから確認できます。

事前検査

免許の切り替えを申請する前に、事前検査(書類審査、視力検査、色覚検査など)を受ける必要があります。

この段階では、提出された書類を基に申請者が日本での運転免許取得の要件を満たしているかが詳細に審査されます。

具体的には、在留カードやパスポート、外国の運転免許証など、身分を証明し、運転経験を示す書類の提出が求められます。

加えて、申請者は口頭での質問にも答える必要があります。

質問内容は、母国での運転免許証の取得年、免許の取得方法、出身国の自動車学校の名称や場所など、申請者の運転経歴に関するものです。 これらの質問に対する回答を通じて、申請者が実際に運転経験を有しているか、そして外国での免許取得が正規のプロセスに則って行われたかが評価されることとなります。

適正試験

事前検査をクリアした後、適性試験(筆記試験)を受ける必要があります。

この試験は、正しい交通ルールの適用、緊急時の対応方法、運転時のマナーなど、幅広いトピックをカバーした内容の問題が出題され、10問中7問以上正解すると次の実技試験へとい進めます。

教習所によっては、英語・中国語・ベトナム語などの言語でも受験することが可能です。適正試験の対策としては、過去問題の練習や模擬試験の活用が効果的です。

適正試験

最後のステップは実技試験です。

都道府県ごとに指定された運転免許センター内で実際に車を運転し、日本の道路で安全に運転できる能力があるかを評価されます。

一般道路や模擬コースを使用し、実際の運転状況を再現した環境で試験が実施されます。正確な操作技術、周辺状況への適切な対応能力が求められ、合格すると晴れて日本の運転免許証が交付されます。

まとめ

今回は、外国人技能実習生が日本で運転免許を取得するための方法を紹介しました。

手続きを進める際には、運転免許センター、市町村役場、自動車教習所などに直接問い合わせることを推奨します。

適切な準備と情報収集をして、運転免許を取得し、日本での生活をより豊かで便利なものにしましょう。

ただし、自動車の運転には事故などの恐れがあるため、外国人技能実習生本人はもとより事業者も事故が発生した場合のリスクについてはきちんと認識し、あらかじめ保険会社にも確認をしておくほうが懸命でしょう。