こんにちは、大江です。
今回は近年急増中のインドネシア人技能実習生の国民性や国柄について紹介していこうと思います。
2023年10月末のデータでは、インドネシア人技能実習生の総数は68,236人で、ベトナムに次いで2位でした。
前年に比べると1.5倍ほどの人数になっており、まさに「急増中」といえます。
インドネシアの基本情報
地理
インドネシアは東南アジアに位置する島国で、17,000以上の島々からなる世界最大の群島国家です。
そこには豊かな自然が広がっており、ジャングルや美しいビーチ、活火山など多彩な風景が魅力の国です。
首都はジャカルタで、経済の中心でもあります。
急速な人口増加と経済発展を遂げている一方で、交通や住宅のインフラ整備が追い付かず、道路や居住地などに問題を抱えている一面もあります。
人口
2024年現在、インドネシアの人口は約2億7980万人で、世界で4番目に人口の多い国となっています。
特に若年層の割合が多く平均年齢は29歳となっており、その若さは人口ピラミッドで日本と比べると一目瞭然です。
また、インドネシアには、マレー人、ジャワ人、バリ人など300以上の民族が共存しており、それぞれ独自の文化を持っています。
言語
300以上の民族が共存するインドネシアには500を超える言語が存在していると言われていますが、公用語はインドネシア語で、国内では広く使用されています。
インドネシア語の「こんにちは」は「Selamat siang(セゥラマット シアン)」
「やあ!(気軽なこんにちは)」は「Halo!(ハロー)」と言います。
発音がローマ字と似ているため、日本人にも馴染みやすい言語だといわれています。
宗教
インドネシアで信仰されている宗教の割合は、以下のようになっています。
・イスラム教 86.69%
・キリスト教 10.72%
・ヒンズー教 1.74%
・仏教 0.77%
(出典:外務省)
インドネシアではイスラム教がもっとも広く信仰されており、世界でもイスラム教徒が多い国として知られています。
しかし、「イスラム教国家」とは異なり信仰は個人の自由です。
キリスト教、ヒンズー教、仏教なども信仰されており、多様な宗教が信仰されているのがインドネシアの大きな特徴です。
例えばリゾート地として知られるバリ島は、住民の90%以上がヒンズー教となります。
また、ジャワ島中部にあるボロブドゥール遺跡は世界三大仏教遺跡のひとつとして知られています。
インドネシアの現在は仏教徒の数こそ少ないものの、多様な宗教を受け入れてきた歴史を垣間見ることができます。
食べ物
インドネシアの食文化は米を主食としており、スパイスをふんだんに使うことが特徴で味付けも一般的に辛いものや甘いものが好まれます。
最も有名なインドネシア料理は「ナシ・ゴレン」です。
お米に野菜やエビ、チキンを混ぜて炒めたもので、インドネシア風のチャーハンといえる料理です。
日本でもエスニック料理への関心も高まってきており、ナシ・ゴレンと聞くと分かる方も多いのではないでしょうか。
平均収入
インドネシアは急激な経済成長を遂げている一方で、都市部と地方部では収入に大きな開きがあります。
首都のジャカルタを中心とした都市部の平均収入は月収で4万円程度ですが、地方部は月収で2万円程度になります。
また地方部では仕事を見つけることすら難しい地域もあり、こういった状況がインドネシアの若者が日本へ技能実習に行くモチベーションのひとつになっている一面もあります。
インドネシアの国民性
温厚な性格
インドネシアの人々は、温厚で穏やかな性格が特徴です。
温暖な気候の国によくみられる特徴ではありますが、インドネシアでは特に調和を重視し、規律よりも「寛容の精神」を大切にします。
また、イスラム教では怒ることは悪いことであるとされているため、感情のコントロールも上手な人が多いです。
コミュニケーションをとることが好きな人も多く、その際も相手への配慮をもって接します。
滅多に怒らず、周りの人に明るく接するため、インドネシア人技能実習生を受け入れた企業から「職場が明るくなった」などの声もあるようです。
プライドが高い
他の文化などに寛容な一方で、自分自身のアイデンティティを大切に守り抜くプライドも持っています。
インドネシアは多様な民族や宗教が共存しており、多くの人々が自身の伝統的な習慣や価値観を大切にしています。
そうした背景もあり、それぞれの価値観を尊重し合う一方、自身の価値観を避難されることを嫌います。
人前で大きな声で怒られると、プライドが傷つき仕事へのモチベーションまで低下してしまうこともありますので、叱る際には人前は避けて叱るなどの気遣いも必要です。
時間にルーズ
インドネシアの時間の概念を表す言葉に「Jam karet(ゴムの時間)」というものがあります。
ゴムのように時間が伸び縮みする例えで、時間にルーズなことを表しています。
インドネシアの人は、「時間は伸びるものだから仕方ない」という考えを持っており、時間にルーズな人が多いです。
時間を正確に守る日本人とは真逆の国民性といえます。
技能実習生として職場に迎え入れることを考えると、この国民性はデメリットに感じてしまうかもしれません。
ですが、配属までの期間に、現地の送出し機関と日本の入国後講習で「日本では時間を守ること」を徹底的に教え込まれますので、安心して迎え入れることができるかと思います。
信仰心が強い
インドネシアでは、宗教が生活の一部となっており、信仰心が強いことが特徴です。
イスラム教が広く信仰されていますが、その他の宗教においても強い信仰心を持っています。
宗教の教えに忠実なため、質素に生活する人が多く、技能実習生として来日した際にもそういった生活習慣がみられます。
信仰に関わる礼拝や食事などは企業側が十分に理解してあげることが必要です。
イスラム教と技能実習
インドネシア人の約9割が信仰しているイスラム教は、日本人にとって馴染みがないかもしれませんが、技能実習生として受け入れた際にどのような影響があるのかを見てみましょう。
信仰は個人の自由
インドネシアではイスラム教が広く信仰されていますが、どの宗教をどの程度信仰するかは個人の自由となっています。
イスラム教といえば1日に何回もお祈りをしているイメージを持っている方も多いかもしれませんが、インドネシアでは毎日5回お祈りしている人は稀で、仕事の合間や朝晩だけお祈りするなど、自分のペースで信仰しています。
インドネシア人は宗教と仕事は切り離して考えている為、業務中でお祈りが行えない場合などは業務時間外に宗教行事を行うなど融通を利かせて対応する方が多いです。
技能実習に好影響なこと
イスラム教がもつ価値観は、技能実習にも好影響を与えることが多くあります。
イスラム教の教えでは、以下の重要性を説いています。
・平和を尊重すること
・身の回りを清潔に保つこと
・あらゆる事柄に責任を持つこと
・飲酒をしないこと
これらの教えは技能実習に良い影響をもたらしています。
インドネシア人の技能実習生を受け入れている企業からは「真面目に一生懸命働いてくれる」「生活態度がよい」などの声もあるようです。
日本語能力
インドネシア人技能実習生は、送出し機関に入る前に日本語学校で日本語を勉強しますので、他国の技能実習生と比べると日本語能力が高いことが特徴です。
また、インドネシア人の日本語の上達スピードも、一般的に他のアジア出身の技能実習生と比べて早い方だと言われています。
理由としては、先述したプライドの高さもあり、できないことが恥と思う傾向があり、親日家も多く、日本のアニメやアイドルから日本語を覚える機会が多いようです。
中には入国時に簡単な日常会話ができてしまうインドネシア人技能実習生もいます。
もちろん個人差はありますが、日本語能力を重視する企業様はインドネシア人技能実習生の受入れを検討してみてもいいかもしれません。
まとめ
インドネシア人技能実習生の受入れを検討するにあたって、インドネシア人にどのような特徴があるかを紹介しました。
・温厚で明るく陽気な性格
・比較的高い日本語能力
・真面目で一生懸命
上記の項目を重視する企業様は、インドネシア人技能実習生の受入れを検討してみてはいかがでしょうか。
私の趣味のひとつにサーフィンがあります。
ここ数年はタイミングが合わず全く行けていませんが、温かくなってくる5月頃や台風の接近をニュースなどで見た時は、良い波を求めて海へ繰り出していた頃の思い出が蘇り、海への思いを馳せることもしばしばあります。
サーフィンをしていた当時の夢は、いつかバリ島でサーフィン三昧の生活(1カ月間くらい)を送ることでした。
10年以上前(若かりし頃)に思い描いた夢ですが、心のどこかでそんなことをできない理由をあてがい、正当化して諦めて、いつの間にかそんな夢を思い描いていた事すらも忘れていました。
ですが今回、インドネシアについてコラムを書いていてバリ島のことについても少し触れた事により思い出すことができました。
もちろんその当時と現在の私の状況は大きく変化していますし、むしろ現在の状況のほうが結婚もして子供も居て会社員という立場の身として、1カ月間もバリ島に滞在するのは現実的に厳しいでしょう。
ですが、1カ月間じゃないとしても3、4日間だけでも「現地調査」という名目なら行けるのでは?
インドネシア(バリ島)の若者が何を思い、どのような未来を思い描いているのか?
日本という国や日本人に対しどのような感情を抱いているのか?
更には文化や国民性などまでも、サーフィンを通じて肌で感じとれるのではないだろうか?
言語や文化は違えどきっと感じ取れるはずだ!
だって日本の海もインドネシアの海も繋がっているのだから!
と、訳の分からない思考のもと、淡い期待を抱きインドネシア(バリ島)に「現地調査」に行くこと、もとい行けねばならないことを打診してみようと心に決めた大江でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。