こんにちわ。大江です。
今回は外国人技能実習生の失踪について気になったのでコラムにしていこうと思います。
失踪率
皆さんは最近の外国人技能実習生の失踪率をご存じでしょうか?
それは約2.8%となります。
この数字だけを見ると、少ないように感じる方も多いかと思います。
ですが、2022年(令和4年)に日本国内に居る外国人技能実習生は約32万人で、その内、失踪した外国人技能実習生は9,006人にものぼります。
9006人という数字を見た時、私はかなり多いと感じました。
2022年だけで9006人もの技能実習生が失踪し、行方不明となり、どこかで何かをしているのですから。
東京ドームに入りきらない
この9006人という失踪者数は、監理団体等から外国人技能実習機構に対し、「行方不明」となった旨の届出書が提出された者を、出入国在留管理庁が集計したもので、届出書を提出した後、所在が分かった実習生もいると思います。
2022年に9006人全てが行方不明となっている訳ではないはずですが、もちろん2022年だけに限らず毎年失踪者は出続けています。
2022年を含む過去10年での失踪者数は66,269人にものぼります。
東京ドームでのプロ野球試合時の観客収容人数は43,500人ですので、全くもって入りきらない程の失踪者がたった10年で出てしまっている事になります。
職業別
次は、職種によって失踪率に差があるかを見ていこうと思います。

2022年の失踪者数は9,006人で、
建設関係が全体の半数を超える約52%、次いで、農業関係が全体の約10.5%、食品製造関係が全体の約7.7%、機械・金属関係が約6.1%、繊維・衣服関係が約4.2%を占める形となりました。
失踪者数に対する職種別割合は建設関係が頭ひとつ抜けた結果となりましたが、次は2022年の職種別技能実習生在留数に対してはどうなのかも見ていこうと思います。
建設関係 在留者数71,436 失踪者4,717 約6.6%
農業関係 在留者数27,318 失踪者948 約3.4%
食品製造関係 在留者数61,548 失踪者697 約1.1%
機械・金属関係 在留者数48,550 失踪者546 約1.1%
繊維・衣服関係 在留者数19,406 失踪者374 約1.9%
建設関係の失踪割合が高い結果となり、
次いで農業関係、その次に繊維・衣服関係となっています。
先程の、失踪者数全体の52%が建設関係となったデータ程ではないにしろ、建設関係がやはり多く、建設関係がなぜ失踪率が高いのか、そもそもなぜ失踪するのか、失踪して何をしているかなど、失踪の背景に焦点をあてて次回は深堀りしていこうと思います。